禁煙外来
健康保険で禁煙治療を受けてみませんか。
「喫煙は百害あって一利なし。」
喫煙は肺癌、咽頭癌の大きな要因であり、癌にならなくても高齢になると肺気腫(COPD)となり、日常生活に酸素吸入が必要となったりします。
又、高血圧の方は喫煙にて脳卒中のリスクが3.8倍になり、糖尿病の方は喫煙にて心筋梗塞による死亡のリスクが2.6倍になり、高脂血症の方は冠動脈疾患による死亡のリスクが1.8倍になります。
タバコはやめたいと思ってもなかなかやめられません。それはニコチン依存症となるからです。
脳にはニコチンが結合するニコチン受容体があります。タバコを吸って吸収されたニコチンが脳に達しますと、ニコチン受容体と結合して快感を生む物質(ドパミン)がたくさん放出されます。しかし、ニコチンはすぐ受容体から離れて消えます。そのため、またタバコを吸いたくなるのです。このようにして、喫煙をやめられなくなった状態がニコチン依存症です。
タバコには他に、アセトン、ブタン、ヒ素、カドミウム、一酸化炭素、トルエン等、4000種類以上の化学物質と250種類以上の毒物もしくは発がん物質が含まれています。
ニコチン依存症のテスト
ニコチン依存症のテスト | |
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問1 | 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 |
問2 | 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 |
問3 | 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。 |
問4 | 禁煙したり本数をを減らしたときに、次のどれかがありましたか。 (イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加) |
問5 | 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。 |
問6 | 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 |
問7 | タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 |
問8 | タバコのために自分に精神的問題〔*〕が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 |
問9 | 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。 |
問10 | タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。 |
〔*〕禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。
〔参考文献〕川上憲人:TDSスコア.治療,88(10):2491-2497, 2006.
なお注釈については、本質問票の開発者と協議し、追加した。
上の質問票で、当てはまるものが5つ以上あればニコチン依存症です。また、外来で呼気中の一酸化炭素濃度を測定します。CO濃度によって、どの程度の喫煙量か、又は禁煙できているかが判ります。
禁煙治療について
禁煙治療には2種類あります。
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【1】
ニコチンパッチを貼って、タバコ以外からニコチンを供給しながら減らしていく
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【2】
ニコチン受容体を占拠する物質を与えて、ニコチンを欲しない様にする
どちらも健康保険が効きます。
禁煙効果は【1】は2倍【2】は3倍と言われています。
〔時間と費用〕
コースは3ヶ月で2週間に1度の通院が必要です。
自己負担金額は
- 【1】の場合 3ヶ月で計約12000円
- 【2】の場合 3ヶ月で計約18000円です。